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腎センターの取り組み

 今年度から常勤2名(血管外科医1名、腎臓内科医1名)となった腎センターです。
昨年度は遠方の先生方からも患者さんをご紹介頂き、年間300例のシャントトラブル手術を行うことができました。今年度からは常勤2名体制となりましたので、土曜日も含めてシャントトラブルには即日対応できる体制を整えて、先生方のご要望にお応えしていきたいと考えています。
 また、近年はマンパワー不足により行えなかった透析導入を再開する所存です。腎臓内科が新しく開設されたことで、透析が必要になる前段階の、保存期慢性腎不全の外来診療も行ないます。また、以前から透析患者の合併症の治療を受け入れておりましたが、今後は積極的に腎臓内科が介入し治療をサポートいたします。

血管外科

血管外科では、腹部大血管から内臓血管、四肢末梢の血管疾患の診療を行っています。主な対象疾患は腹部大動脈瘤・急性および慢性動脈閉塞症・下肢静脈瘤です。

腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤は無症状であっても破裂すれば致命的となる疾患で、破裂の危険性は、瘤径、瘤の形状、瘤の成因、性別などによって異なります。破裂する危険が高い動脈瘤は外科治療の適応となります。外科治療には、カテーテル治療(ステントグラフト留置術)と開腹手術の二つの方法があり、患者さんの年齢・全身状態や患者さんの希望に応じて、治療法を選択しています。


腹部大動脈瘤に対するステントグラフト留置術


腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術


急性および慢性動脈閉塞症

四肢、特に下肢の血行障害です。歩行するとふくらはぎがこわる・だるくなると言った症状に始まり、重症化すると下肢の疼痛・壊疽に至り下肢切断を余儀なくされます。治療法はやはりカテーテル治療(バルーン血管拡張術・ステント留置術)とバイパス手術があり、病変の部位や患者さんの状態に応じて治療法を選択しています。

カテーテル治療の場合には1泊入院で治療が可能なため、早期の社会復帰・職場復帰が可能です。壊疽を伴う重症虚血症例に対しても、できるだけ肢切断を回避して肢を温存する方針で、足関節周囲の直径約1mmの動脈へも積極的にバイパス術を行なっています。難治性潰瘍や糖尿病性壊疽などの開放創の処置には、最新の創傷治癒ツールであるVACシステム(閉鎖持続陰圧療法)を採用しています。


腸骨動脈閉塞に対するステント留置術,浅大腿動脈閉塞に対する血管拡張術


慢性動脈閉塞症に対する自家静脈による足背動脈バイパス術


VACシステムによる創傷管理


下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は、患者さんの症状に応じて外科治療の必要性・有用性も変わってきます。正しい知識を持てば決して恐れる必要のない疾患ですから、静脈瘤があって不安を感じている方は気軽にご相談下さい。


下肢静脈瘤,静脈瘤による下腿潰瘍,ストリッピング手術後


腎臓内科

腎臓の働きは、尿を作ることで、体内の水分や塩分の量を一定に調節し、毒素を排泄します。他にも、赤血球の増加を促したり、骨の健康を維持したり、血圧の調節に関与するなどの働きがあります。
腎臓病には、糖尿病性腎症、腎炎、高血圧性腎硬化症、ネフローゼ症候群、全身疾患に伴うものなどがあります。腎臓はある程度障害を受けると、慢性進行性となり、可能な限りの用心をしても、腎臓の機能は低下し続けるようになります。この状態を慢性腎臓病といいます。蛋白尿だけの状態など腎臓の傷害が軽い間は自覚症状に乏しいですが、むくみや食欲不振、全身倦怠感などの症状が出てきたときは、腎臓はほとんど働かなくなっていて、あと少しで透析治療が必要になっている場合があります(末期腎不全)。また、近年、慢性腎臓病は、末期腎不全だけでなく心血管疾患の原因となることも分かりました。
腎臓内科では、慢性腎臓病を早期に発見し、適切な治療を行い、末期腎不全への進行抑制に努めます。また、透析が必要になる場合にも、円滑に受け入れていただけるように情報提供を十分に行いたいと考えております。

透析室

透析室では、入院患者の血液透析治療とともに透析患者さんの命綱とも言うべきシャントトラブルに対する手術を手がけています。新規シャント造設(自家血管・人工血管)からシャント閉塞、シャント感染に対する修復術、シャントPTAなど、年間約400例を超えるシャント関連手術を施行し、迅速かつ適切な対応を心がけています。人工血管を使用するような比較的侵襲の大きなシャント手術においては、エコーガイド下腕神経叢ブロックによる麻酔を行なうことで無痛手術が可能となっています。


シャント感染に対する修復術