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整形外科


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当院整形外科では伝統的に脊椎疾患を中心に診療を行っていますが、平成24年度より股・膝関節疾患の専門医を迎え、運動器全般の治療を安全確実に行う体制を整えています。また介護を受けることなく、いつまでも自分の足で歩けるように、ロコモ(ロコモティブシンドローム;運動器症候群)の予防や治療も行っています。

外来診療

平成30年度の外来患者延べ数は11,358名(1日平均46.5名)でした。うち初診は1,345名(1日平均5.5名)であり、手術や入院を必要とされない患者さんは開業医の先生に逆紹介するなどして、より一層の病診・病病連携をはかるとともに、外来診療をできるだけスリムにするように心掛けております(平成30年度逆紹介率92.6%)。

入院診療

平成30年度の入院患者延べ数は17,942名(1日平均49.2名)でした。このうちの大部分は手術が必要で入院された患者さんですが、骨粗鬆症性椎体骨折や化膿性脊椎炎などに対する保存的治療を目的とした患者さんも含まれています。大腿骨近位部骨折については、福岡市医師会の策定した医療連携パスに則り、入院時よりMSWが介入し転院調整を行っております。他の疾患についても術後早期のリハビリ開始や病病連携による早期転院など方策を講じています。

脊椎疾患

まず徹底的な病歴の聴取と理学的所見の診察を行い、その上で必要と考えられる検査を施行します。単純X線では、個々の椎骨の評価に加えて椎間不安定性などの評価を行います。MRIは整形外科の担当医だけでなく、放射線科医が同時に読影を行うことにより所見の見逃しを予防する体制をとっています。また、主に手術を受けられる患者さんを対象とした脊髄造影検査も年間200例前後行っており、その後に行われるCT検査ではあらゆる断面からの詳細な分析が可能となっています。
治療は脊髄症状や四肢麻痺などが高度な患者さんを除いては、あくまでも保存的治療を原則としています。オピオイドも含めた近年の新しい鎮痛薬の登場により薬物療法によって痛みをコントロールできる患者さんがかなり増加しました。また、痛みが高度な場合には神経ブロック(但し、腰椎のみ)も行っています。
このような治療をもってしても症状の解決を図ることが困難な患者さんに対しては、手術的治療を選択することになります。平成30年度は298例の脊椎手術を施行しました。うち234例(78.5%)が腰椎手術であり、その約7割が腰部脊柱管狭窄症でした。残りの大半が腰椎椎間板ヘルニアですが、初発例では内視鏡下での摘出術(MED)が主流となっています。手術は除圧術を基本とし、必要に応じてインストゥルメントを併用した固定術を施行しています。麻酔は麻酔科専門医により低血圧麻酔が行われ、これに自己血貯血と回収式自己血輸血を用いて殆どの症例で同種血輸血を回避できています。術後はほぼ全例で2日目からコルセット或いは装具を装着下に歩行を開始し、専門の理学療法士、作業療法士により積極的な機能訓練を行っています。

関節疾患

当科では主に下肢の大関節である股関節、膝関節に関して専門的な診療を行っています。脊椎疾患同様、徹底的な病歴の聴取と理学的所見の診察が重要であることは言うまでもありません。画像診断に関しては、単純X線、関節の3次元的な評価のためのCT検査、靭帯や骨挫傷評価のためのMRI検査などを駆使することにより診断や治療方針を確実なものとしています。
保存的治療としては薬物療法と併せて、筋力訓練やダイエットの指導、関節腔内への注射などを行います。病院の性格上、外来患者さんに対する理学療法・物理療法は行えないため、そのような治療が必要な場合には近隣の開業医の先生方にお願いしています。
手術的治療の適応と判断された場合には病態に応じて、関節鏡視下手術、骨切り術、人工関節置換術などの方法が選択されます。中でも人工関節置換術(股関節、膝関節)は、ここ数年で手術例数がかなり安定してきました。手術に際しては、他の手術同様、術後感染症や深部静脈血栓症の予防に細心の注意を払い、予想される出血に対しては、自己血貯血により対応しています。術後は早期から関節可動域訓練や歩行訓練などを実施し、通常であれば3週間ほどでの退院が可能となります。

外傷

救急病院、地域医療支援病院として外傷の患者さんも積極的な受け入れを行っています。中でも大きな割合を占めているのが骨粗鬆症を基盤とした脆弱性骨折です。骨折関連手術の中で大腿骨近位部骨折(骨接合術と人工骨頭置換術)・橈骨遠位端骨折・上腕骨近位端骨折といった骨粗鬆症に関連した骨折を合わせると全骨折症例の6割強にのぼります。
近年、ロコモティブシンドロームに対する啓発活動が盛んに行われています。その代表的な原因疾患が腰部脊柱管狭窄症、下肢の変形性関節症、骨粗鬆症です。当科では、これまで述べてきたように、これら全ての運動器疾患の診療を専門的に行い、バランスのとれた整形外科医療を提供しています。

平成30年度の手術内訳

脊椎手術 計298例

●頚椎49例
  椎弓形成術27例、前方固定術9例、他13例
●胸椎15例
●腰椎234例
  固定術113例、椎弓切除術51例、椎間板摘出術61例 、他9例

脊椎以外の手術 計287例

●骨接合術 133例
●人工関節置換術 (膝・股) 70例
●人工骨頭置換術 16例
●膝関節鏡視下手術 8例
●末梢神経剥離術 5例
●その他 55例

 

整形外科年度別手術症例数の図

受診の際は紹介状をご持参ください

市民病院整形外科では開業医の先生方と連携をとって、入院や手術が必要な患者さんを中心に診療を行っております。受診の際にはなるべくお近くの先生からの紹介状をご持参いただきますようお願い申し上げます。