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腎臓内科


慢性腎臓病を早期に認識していただき、対策を講じます

腎臓の役割

腎臓では血液が濾過され尿がつくられます。腎臓には糸球体という構造物があります。糸球体は直径が0.1-0.2mmの球体であり、左右の腎臓に各100万個、合計200万個存在します。この糸球体で血液が濾過されます。正常の腎臓では1分間に100ml程度の血液が糸球体で濾過され、最終的に尿として排泄されます。このしくみにより体内の水分量や塩分の量は一定に調節され、毒素が除去されます。他にも腎臓には赤血球産生の促進、血圧の調節など多様な働きがあります。腎臓が十分に機能しなくなると、体に水分や塩分が貯まって浮腫(むくみ)が出たり、尿毒素が体に貯まることで元気がなくなったり食欲が減退したりします。腎臓が機能しなくなると(末期腎不全)、腎代替療法(透析治療や腎臓移植)を行わないと生命維持ができなくなります。

腎臓病の診断

腎臓病には、慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)、糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化症、全身疾患(膠原病など)に伴うものなどがあります。進行が遅いものから急速なものまで経過も様々です。腎臓病の予後は発症から診断・治療開始までの時間が大きく影響します。わが国では学校検尿や特定検診などにより早期に腎臓病を発見して対策を立てる仕組みが構築されています。尿蛋白が多いときや活動性の高い腎炎が疑われる場合には、正確な組織診断をつけ適切な治療を選択するために、腎臓の組織を採取する腎生検という検査が必要なことがあります。腎生検は入院して行います。

慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)

腎臓が継続的に障害を受けると慢性進行性となり、200万個あった糸球体が減少し、徐々に腎機能が低下するようになります。この状態を慢性腎臓病(CKD)といいます。慢性腎臓病の患者さんは末期腎不全の前段階というだけでなく、心筋梗塞や心不全、脳卒中など心血管病の発症や死亡率が高くなることが明らかになっています。
成人では糸球体数は増加しません。減少した糸球体を元の状態に戻す手段はありません。しかし、原疾患の治療、血圧・血糖のコントロールや脂質異常症・高尿酸血症・腎性貧血の治療、禁煙や肥満改善などの生活指導、減塩・蛋白制限などの食事指導によりCKDの進行を遅らせる(これ以上糸球体が減ることを防ぐ)ことができます。これがCKDの治療です。
初期の段階(CKD ステージG4まで)では、普段はかかりつけの医療機関に通院しながら、定期的(2・3・6・12ヶ月ごと)に当院にも通院していただきます。処方はかかりつけの先生に行っていただきます。当院にて行った指導内容と検査結果はかかりつけの先生にご報告いたします。腎代替療法を考えないといけない段階(CKD ステージG5)になると、腎臓内科が毎月の診療や薬剤の処方を行うことが望ましいとされています。この状態になると当院が主体となって診療を行います。

末期腎不全と腎代替療法

腎代替療法には大きく分けて透析と腎臓移植があります。
透析の方法には、血液透析と腹膜透析があります。どちらも治療を開始するための準備(手術)が必要です。当院では腎代替療法が必要になった場合、患者さん・ご家族とご相談させていただき、どちらの透析を行うか決定しています。
血液透析(HD)は、わが国の透析患者さんの97%が行っています。血管に針を刺し、血液を体の外に取り出し、血液を機械できれいにして体に戻します。1回の治療に約5時間かかります。透析を行う医療機関に週3回通院する必要があります。
腹膜透析は、腹部に埋め込んだカテーテルを使って、腹腔に透析液を一定時間貯め、体外に透析液を捨てる治療法です。普通は透析液の交換を1日3~4回行ないます。ご自宅でご自身で行う治療で、病院への通院は月1~2回ですみます。
腎臓移植は、手術で提供された1つの腎臓を下腹部の左右どちらかに移植します。腎臓の機能のほとんどを肩代わりするので、健常者とほぼ同様な生活が可能となります。腎臓移植には生体腎移植と献腎移植の2通りあります。移植を希望される患者さんは、九州大学病院や福岡赤十字病院などの関連機関に紹介いたします。
2017年4月から当院の腎臓内科医師は1名から2名へ増員になりました。これにより外来も月曜日から金曜日まで連日対応できるようになりました。健康診断で蛋白尿を指摘された方や、血液検査で腎機能低下を指摘された方は、お気軽に受診してください。かかりつけの先生がいらっしゃる方は紹介状をお持ちください。