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外科



確かな技術と知識と優しさを

診療内容は消化管外科、肝胆膵外科、脾門脈外科であり、平成21年より年間1000例を越える手術が施行されています。今年度のスタッフは竹中賢治院長以下、東秀史副院長、池田泰治肝臓外科科長、遠藤和也外科科長、西田康二郎消化器外科科長、別城悠樹、古賀直道、これに卒後臨床研修医がローテーションで加わり、外科の診療を行っています。


 

消化器外科

消化管外科

鏡視下手術
リスクが高いとされる高齢の患者さんや生活習慣病を伴う患者さんを診療する機会が近年ますます増加しています。当センターでは従来よりがん患者に対する鏡視下手術を積極的に手掛けており、この鏡視下手術こそリスクの高い患者さんに対する最適最善の治療と考えています。鏡視下手術の最大のメリットである低侵襲性がリスクを回避する大きな武器になるからです。ここ数年は鏡視下手術症例数は年間250例前後で推移しています。

集学的治療
がんの診断を受けた患者さんに示される治療法は基本的に手術療法、化学療法、放射線療法の3種類があります。これまで、手術ががん治療の中心にありましたが、近年は化学療法や放射線療法が進歩し、がんの種類や病期(ステージ)によっては手術と変わらない効果が認められています。手術、化学、放射線療法のうち、2つ以上の治療を組み合わせる治療を集学的治療と呼びます。 当院ではそれ以外にも、治癒切除が行われた場合でも再発率の高いと予想されるstage IIIの胃・大腸癌に対しては、患者さんの同意が得られれば積極的に術前化学療法を施行し、根治切除を行った後、さらに術後補助化学療法を行う、集学的治療を行っております。
 
進行直腸癌(直腸閉塞+著明リンパ節転移):stage ⅢB 67歳男性
人工肛門造設→化学療法(mFOLFOX6+panitumumab8クール)→根治手術(腹腔鏡下低位前方切除)→術後補助化学療法(TS1内服)→人工肛門閉鎖

腹部救急外科

当センターは診療各科と連携しながら、交通外傷をはじめ消化管穿孔・出血、感染症など救急患者の診療に携わっています。
 
64歳 男性 食道癌出血
血液混じりの嘔吐を主訴に近医を受診、上部消化管内視鏡にて食道下部から胃噴門部に連続する不整形潰瘍よりの大量出血を認め、当院に救急搬送されました。噴門部癌からの活動性出血と診断しましたが、CT検査にて左胃動脈周囲に一塊となったリンパ節と食道浸潤が認められたことから、まず左胃動脈のTAEによる止血術を行い経過観察することにしました。しかし、その後も再出血したため放置すれば救命が困難となると判断して開腹手術に踏み切りました。胃小弯から小網が癌により一塊となっており前壁にピンホール大の穿孔を認めました。癌が胃後壁から膵体部に浸潤しており、胃全摘・下部食道切除と膵体尾部脾臓合併切除を行いました。術後経過は良好で、術後24日目に紹介医に転院となりました。術後標本の病理組織検査にて食道原発の扁平上皮癌(胃壁への浸潤)と診断されました。
 
  

 

肝胆膵外科

2008年6月より日本肝胆膵外科学会高度技能修練施設に認定されている肝臓・胆道・膵臓外科を専門に治療しており、若手外科医の肝胆膵外科専門医も養成しています。肝胆膵センターでは肝臓、胆嚢、膵臓などに関する病気や悩みに対して解決できるように、外科、内科、放射線科が互いに連携を行い診断、治療にあたります。外科的治療が最適と判断した場合は外科部門が積極的に関わり、治療を行います。


 

【肝がんに対する外科治療】

1989年の病院開院以来1000例以上の肝切除手術の実績がある福岡県内で有数の専門施設で、当院で修練した若手肝臓外科医3名が高度技能指導医になっています。原発性肝がんに対しての肝切除術の長期治療成績は5年生存率52%、10年生存率26%(2017年4月現在)と全国調査と同等の良好な成績を挙げています。また、化学療法などの治療の進歩に応じて大腸がんなどの転移性肝腫瘍に対する肝切除も積極的に行っています。


 

 

【胆道・膵臓外科】

胆道がん・膵臓がんに対しては唯一の根治治療である高難度手術の拡大肝切除や膵頭十二指腸切除術を積極的に行っています。黄疸、肝機能障害や胆道系酵素の上昇、糖尿病の増悪、膵炎、膵臓の嚢胞(IPMN)、胆石、胆嚢壁の肥厚などありましたら、ぜひ一度肝胆膵センターへの受診をしてください。

 

【腹腔鏡手術】

胆のうや膵臓の良性疾患に対しては、ほとんどが腹腔鏡手術で治療が可能です。また、手術の安全性と癌の根治性を損なわれない症例には肝がんに対しても腹腔鏡下肝切除を行います。腹腔鏡手術は手術の適応、安全性、確実性を考慮して、患者、家族と共に利点、欠点を理解していただいた上で行います。

 

一般外科

【鼠径ヘルニア】
一般に“脱腸”と呼ばれる良性の病気です。小児と成人では原因が違い、治療法も異なります。小児の鼠径ヘルニアは自然に治るケースもありますが、成人鼠径ヘルニアは加齢とともに下腹部から足の付け根(鼠径部)の組織が脆弱になり、その部分からお腹の中にある腹膜が袋状に飛び出してくることによっておこります。鼠径ヘルニアには、脱出する部位により、外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアの3種類があります。


【尿膜管遺残症】
胎生期の尿膜管の退化が不完全な場合に、遺残した尿膜管(尿膜管遺残)が原因となり、臍から尿の排泄がみられたり、感染をおこして化膿することがあります。症状の多くは、臍よりの持続する排膿や臍部痛などです。 症例は44歳男性、臍下左側の腹壁深部に尿膜管遺残による膿瘍を形成し、強い臍部痛と臍よりの排膿を認めました。臍部痛も強く、局麻下に排膿もままならない状態でした。腹腔鏡下に腹腔内より腹壁の膿瘍と遺残尿膜管を切除し、早期に治癒が可能でした。


 

化学療法

当科では、食道、胃、大腸、肝・胆・膵の悪性疾患に対して、化学療法(抗癌剤治療)を行っています。治療の内容としては、進行再発症例に対する化学療法のほか、治療後の根治手術のための腫瘍の縮小を目的とした術前化学療法、また根治切除術後の再発予防を目的とした術後補助化学療法があります。


【外来化学療法】
ほとんどの治療は、当院2階にある外来化学療法室で、患者さんに外来通院していただき施行しております。特に近年その罹患数が増加している大腸癌の治療では、様々な分子標的薬や経口の新薬の出現により、平均治療期間が約30カ月に達する中で、患者さんには可能な限り通常の日常生活を送っていただきつつ、治療との両立を図っていくことを常に目標としております。治療には留置CV(中心静脈)ポートと携帯型リザーバーを用いて、通院での治療が可能です。外来化学療法室で専任のスタッフが2人常駐し、治療中の患者さんのケアをさせていただいています。


【術前化学慮法とadjuvant surgery】
従来は切除不能とされていた、stage IVの胃癌、大腸癌に対しても、化学療法を施行し、病変の縮小が図れれば、根治手術を行うadjuvant surgeryも行っております。大腸癌の肺、肝転移、局所再発などに対しては従来より積極的に手術を行い、良好な成績を得ていましたが、当院ではstage IVの胃癌、大腸癌に対してもadjuvant surgeryを行っており、長期生存症例も出現してきています。今後も適応を慎重に判断しつつ、進行症例でも根治を目指して、治療を行っていきたいと考えております。

進行直腸癌(直腸閉塞+著明リンパ節転移)67歳男性:stage IIIB
【経過】人工肛門造設→化学療法(mFOLFOX6+panitumumab 8クール)→腹腔鏡下低位前方切除(根治手術)→術後補助化学療法(TS1内服)→6ケ月後人工肛門閉鎖、術後1年無再発 生存中