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胃はみぞおちにある袋状の臓器で、食道より運ばれた食物を貯留し、胃酸である程度消化した後、次の十二指腸に少しずつ送り出してゆきます。潰瘍などの炎症性の病気とポリープや胃癌などの腫瘍性の病気が中心になります。

1.急性胃炎・慢性胃炎


急性胃粘膜病変の写真

薬剤、アルコール、感染、ストレスなどにより胃粘膜に炎症がおきて、吐き気、嘔吐、お腹が張った感じや食欲不振などの症状がでてきます。内視鏡(胃カメラ)検査により胃粘膜の発赤、びらん、出血、浮腫などの所見が認められます。原因を取り除き、胃酸を抑える薬や粘膜を保護する薬で治療します。禁酒、禁煙、刺激性食品の制限、十分な睡眠などの生活習慣の改善も必要です。

2.胃潰瘍


胃潰瘍の写真

胃の粘膜が胃酸で消化されて、穴ができた状態です。空腹時みぞおちが痛んだり、胸やけ、げっぷなどの症状がみられますが、高齢者では全く自覚症状がないこともあります。出血、胃が破れる(穿孔、穿通)、狭窄などの合併症をおこすことがあります。透視や内視鏡検査により診断がつきますが、胃癌との区別が難しいことがあり、きちんと診断し経過観察をすることが大切です。治療は胃酸を抑える薬でほとんど治りますが、完全に治癒して再発を防ぐことが必要です。前に述べた合併症のために手術が必要になることがありますが、以前に比べるとかなり減少しています。近年、ヘリコバクターピロリ菌と胃・十二指腸潰瘍との関係が明らかになり、また胃癌との関連もあると考えられており、除菌治療が普及してきました。これにより潰瘍の再発が減っており、胃の炎症がきれいにとれるようになりました。(現在除菌治療は保険で認められるようになりました。)

3.胃ポリープ


胃の内腔にいぼ状に突出した小隆起のことで、過形成ポリープ、腺腫などがあります。腺腫の場合10%程度の癌化率があり、注意が必要です。一般的に無症状ですが、出血したり、癌の疑いがあるとき(2cm以上、形に変化)は内視鏡で切除します。

4.胃癌


胃癌の写真

近年まで癌死亡率のトップでしたが、徐々に減少傾向にあり、また早期に発見されるようになって約70%の人が助かるようになりました。塩分の多い食事や魚や肉の焦げたものなどが原因とされていますが、最近ではピロリ菌も原因の一つと考えられています。胃の表面の粘膜面にしこりや潰瘍として、または早期の病変の場合わずかな凹凸や色の変化として発見されます。症状は痛みやもたれ感、食欲不振などですが、進行しても症状がない場合もありますので定期的な検査が必要です。治療は手術で胃を病変の大きさや部位に応じて一部あるいは全部切除し、周囲のリンパ節を摘出します。ただし早期胃癌の場合、胃内視鏡で切除したり、おなかにいくつかの穴を開けて腹腔鏡といわれるカメラを用いて、小さな傷で切除することが可能になってきました。

5.胃肉腫


癌が粘膜表面から出来てくるのに対して、粘膜以外の部位から出来てくる悪性腫瘍です。悪性リンパ腫や平滑筋肉腫などが主体で、胃癌の1-2%程度の頻度です。